人気ブログランキング |

タグ:小説 ( 122 ) タグの人気記事

 

[小説] 魔法科学校の劣等生

佐島 勤・著
石田 可奈・絵
電撃文庫・刊


魔法が理論立てで存在する近未来が舞台
物を動かしたり火を出したりするような魔法も物理現象の解説のように一つ一つ理屈付けで説明しているのが特徴的
世界で魔法が一般的になるに従い、その優劣が国勢にも大きく関わってきた頃、日本は(明言されていないものの)尖閣諸島の領有権を巡り中国と武力衝突する
魔法を使った戦闘の末、辛くも守りきった日本
この事件の後、尚武の風潮が強まり自衛隊は自衛軍に、これからの戦局に魔法技術の優劣が鍵を握ると周知され、より魔法教育に力が入れられていくことになったようだ

さて、本編

妹は絵に描いた様な完璧才女、勿論魔法の才能も折り紙つき
兄は知識と体術こそ妹より勝るが、世間で認められるような魔法の才能は無い
お約束でどちらも眉目秀麗、兄は感情に乏しく、妹は「世間が認めなくても兄が一番凄い!」と重度のブラコン

魔法を使う才能を持った若者のみが入れる専門高校が日本に9つあり、最高峰が第一高校
二人がそこに入学するところから物語は始まる

魔法教育とは言ってもまだ十分な環境が整っている訳ではなく、特化教育を受けられるのは第一から第三高校までの半分、各100人
残りは専門教育は受けられるものの、質は少々劣ってしまう

首席入学した妹は当然特化クラスの一科、兄は二科
エリート意識の強い一科生にとって、仲間である妹が落ちこぼれの兄やその友人らと親密にしているのが気に食わない

問 題 発 生

しかし、兄の「世間では認められない」強力な魔法により余裕で流される始末



とにかく終始これ!

「世間で認められている才能だけが優れたものではない」
「認められない者の苦悩」


が主題とも言えるが、認められないどころかスーパーチート主人公ですよ
大して酷い扱いも酷い目にもあった描写も無く、漠然とした「家を勘当されている」「親に認められていない」「世間では落ちこぼれ扱い」に留まり、逆に降りかかるトラブルに対する楽勝対処ばかりが目を引く
日本の魔法界の大家所属として何人か登場しているものの、所詮主人公の噛ませ程度にしか見えない

「こんな凄い連中がいるけど、兄はもっと凄い」だけ

更に巻が進んでいくと兄妹の過去が少しずつ明かされていくが、チートがどんどん重なるだけ

兄SPEC
・魔法師才能(世間ではAタイプの優劣が魔法使いの能力差だが、普通は見られないBタイプ特化の才能)
・体術(魔法の一派と扱われる忍術大家の師範に教えを受けている)
・魔法技師才能(とある有名なブランドの技術者)
・勉学(筆記、理論なら無双状態)
・軍隊経験者(今も繋がりあり、機器メンテ担当)

妹SPEC
・魔法師才能(Aタイプの優秀な能力)
・体術(兄に同じだが遥かに劣る)
・勉学(兄に同じだが遥かに劣る、でも首席)

書き方もあるんでしょうけど、ね
ダークヒーロータイプとしては暗部が弱すぎるし、彼我の能力差が大きすぎる
他者を圧倒する程の力を代償無しで振るって「またつまらないものを斬ってしまった」的アンニュイな雰囲気を出され、とどめに妹による大絶賛
これで「俺(兄)は認められなくて不幸」を推しているのはオカシイですよ、カテジナさん

尚、現在4巻まで刊行済み
1、2巻が入学編
3、4巻が9校祭編となってます

「技術としての魔法」の書き方は面白い本

  by varelire2 | 2011-12-17 18:34 | | Comments(0)

[小説] 巨竜城塞のアイノ2

鳥居 羊・著
都森 すみと・絵
HJ文庫・刊


異世界で測量して下着で文化改革する話、2巻出ちゃってた
現実の歴史だと東ローマ帝国がオスマンに滅ぼされた後、大航海時代前(ロードス沖海戦の前くらい)が時代設定として近いのは同じ

この世界の国家=軍事力である巨竜城塞の核となる「竜核」
大統一帝国時代(ローマ帝国時代)に確立したその建造技術は今は失われており、新たな巨竜城塞は発掘された「竜核」を用いることによってなんとか確保できるという状況
それも基本は消耗して命数が減った以前の巨竜城塞の竜核を交換するという形が多い様子
国家間のバランスを左右する「竜核」の取り扱いは西方列強の主教である十三大天使を奉る法王庁が管理している
今回は発掘された新たな「竜核」の継承国を定める会議が話のメイン

アンブリエル王国の城塞は元々命数が残り少なく、そこに前回の対異教国(ウスマール帝国=オスマン帝国)防衛線で更に消耗しており、是が非でも欲しいところ
西方列強の東の防波堤という位置にあり、防衛戦での勝利もあるので、バランスを考えればアンブリエル王国が権利を得るのが妥当ではあるのだが・・・?
プレンテス(イングランド)、ヴェネセリア(ヴェネチア)、フランゴール(フランス)、ヴェスパニア(イスパニア)など権利を欲する国は多く、権謀術数が繰り広げられる事になる

前回も実家が下着工場の理系高校生が絶賛マクガイバーしてましたが、今回も大奮闘
「出来るところから改革を!」という感じで、食と住に対して腕を振るっておりました
硝石と硫黄を利用した源泉かけ流しのアレとか、硝石の凝結効果を利用したソレとか
「城塞焼き」にはちょっと驚いたな
家庭科の教科書だけでそこまでカバーできるのか?とは思ったけど

あぁ、そうだ
1巻の記事で気になった「残り二人の言葉問題」
牧志については明かされてた
天使核から得た能力は別で、やっぱ言葉は片言の模様
もう一人の笹野氏は何やらやっかいな事を求めたようで、自身の体への負担が半端無い様子

安易に萌えと厨二とご都合主義だけに走らない作風に好感が持てますわ
しっかりとした設定があってこそ、これらが映える良い例かと

  by varelire2 | 2011-11-20 12:02 | | Comments(0)

[小説] 妖魔夜行

山本 弘・著
角川スニーカー文庫・刊


20年近く前に刊行されていたシリーズの再版ではなく、新シリーズ
基本設定である
 「妖怪は人の思いから生まれる」
 「人間に悪さをする妖怪も入れば、助ける妖怪もいる」
 「人間社会に紛れて生活している」
 「互助組織であるネットワークを作っている」
という部分はそのままに、登場人物から組織まで全て一新
戦隊物とかの新シリーズ感覚、と作者が言っている通りの作り

開幕作となる本編では、人の幸せを妬む妖怪バッドエンドに狙われた女子高生が、妖怪の存在を知り共に歩みを始める物語だ
作者は元々TRPG畑であり、トンデモ科学やらオタク分野にも造詣が深い事もあり、随所に最近のネタが散りばめられている
そもそも、バッドエンドの元ネタからして「リア充爆発しろ」だから笑うしかない

ともあれ、BAR「兔の穴」も化け狸の彼方も登場しない本作ですが、間違いなく妖魔夜行の世界なのは感じられた

そういや旧シリーズの続編的存在のゴーストなんちゃらは微妙だったので、打ち切りっすかね

  by varelire2 | 2011-10-27 12:23 | | Comments(2)

[小説]ブラックブレッド 神を目指した者達

神崎 紫電・著
鵜飼 沙樹・絵
電撃文庫刊行


バイオハザード系パンデミックで人類の生存圏が大幅に縮小された近未来
圧倒的な身体能力を持つ人外に世界が席巻される
人外の体液を吸収すると一定の浸透率を超えた時点で変異し、新たな人外となってしまう
最初の原因がなんだったかは明かされていないが、これがパンデミックの原因
人外は人間のみならず他の生物にも影響を及ぼし、鳥や虫、植物まであらゆる生物が変異の元となる
変異が進むと他の生物を吸収したりして、更に強力な人外となっていく

そんなパンデミックから10年後
日本は3つのエリアを除いて人外が跋扈する世界となっていた
舞台はその中の一つ、東京エリア
東京都を中心に千葉、埼玉など近県の一部を含めた結界内でのみ生活する人々
結界を作るのは人外の再生能力を妨げる特殊素材バラニウムで作られた巨大な石板「モノリス」
人外はバラニウムから放射されるある種の波を嫌い、寄りつかなくなる事を利用した結界だそうだ

人外に汚染された母体から生まれた、先天的に発症に体制を持つ「呪われた子」は元となった人外に近い驚異的な身体能力を持つ
当初は忌み嫌われ生まれる前から殺されていたが、近年対人外用に編成された民間警備組織の要員として活用されるようになった
人間のプロモーターと半人外のイニシエーターというコンビによる、人外駆逐チームが無数に誕生したのである
保護者型主人公と前衛型ロリヒロインというコンビな訳だ


着眼点は良いし素材も悪くない・・・が、如何せん舞台設定に甘いところが多々見られるのが残念
孤立した人類生存圏のはずが、思ったよりライフラインがしっかりしている
舞台となった東京エリア全43区だけを見てもそれが顕著

・電力問題
 東京都+近県一部だけなのに、電力に不安が見られない
 作中で「日本は高低差が大きく水力発電に向いている、気候的に風力発電も有用」とあるが
 このエリア内だけで不自由なく賄える量が常時確保できるとは考えにくい
 少なくとも一般市民が気軽に携帯電話が使えるような部分には違和感がある

・食料問題
 新種の早熟型穀物などが作中に出ているだけ
 バイオミートなどを使っているにしても先述の電力問題からも考えにくい
 配給制ならともかく、普通にスーパーなどが存続している不思議
 卵はともかく、牛乳とかどこで調達を?

・燃料問題
 先の2つにも重なるが、何をするにしても燃料が必要となる
 バスはともかく、自家用車が現役なのは解せない
 備蓄していたコンビナートを活用したとしても、限定されたエリア内だけでどれだけ保つのか
 ましてや「外周部では核融合炉の実験も」の件はありえない

・文化問題
 こんなご時勢でありながら放映中の新作アニメの話題が出る
 描く人、作る人、設備、足りるの?
 OVAならともかくTVだし
 更にグッズまでデパートで売ってる始末

・通信問題
 携帯電話健在もあるが、他の分断された生存圏との交流が可能というのも凄い
 どうなってんの?衛星!?

まだまだあるけど割愛(企業活動、それも軍事系日本企業とか素材調達どうやんのよ)
東京エリア支配者となっている聖天子については、まんま皇室的アレなんでしょうけどね


娯楽作品として総合的に言えば・・・設定不足に目をつぶれば楽しめる出来
続刊が出たら買う方向で
田中芳樹作品の年の差コンビ物(夢幻都市とか夏の魔術とか)好きならお勧めかも?

それにしても口絵1枚目の明るい湾岸?夜景はないだろ・・・

  by varelire2 | 2011-10-05 12:22 | | Comments(0)

電撃頑張りすぎ

禁書、映画化

アクセルワールド、アニメ(サンライズ)、ゲーム化

ソードアートオンライン、アニメ(A-1 pictures)、ゲーム化



とか・・・
アクセルワールド公式の動画見たけど、メインのブラックロータスじゃなく学校バージョンとか詐欺じゃね?
主人公出てなくね?

アニメはともかく、ゲームもサンライズにやられると大ゴケするだろ


ソードアートオンライン公式は動画無し
原作だとAWのが出来が良く感じるんだけど、世間の人気はSAOが高いぽいね

AMAZONにお勧めされたログ・ホライズンもそうだけど、「.hack」からの流れのネトゲに囚われた系
ジャンルとして好みなんだけど、主人公がチートすぎるんだよなぁ

良くも悪くも「理想的厨二患者の一つの完成系」だし



禁書映画については、まぁ・・・いいからTVシリーズ続きやれ、と
年末に向けてヘヴィー・オブジェクトも2冊?出る予定みたいだけど、こっち売れてんの?
1巻で切ったんだけど

More

  by varelire2 | 2011-10-03 12:16 | アニメ・映画 | Comments(0)

[小説]とある飛空士への夜想曲

犬村 小六・著
ガガガ文庫・刊


「追憶」から続く一連の飛「空」機モノ
前作「恋歌」より時間軸は前で、「追憶」での強敵「魔犬」側の話

真電かっけー

敵国側だった帝政天ツ上の実態と魔犬の生い立ちなどを追い、最終的に海猫との決着をつけるラストまでを2冊で描いた良作
中盤からこれでもかと描かれる国力差、劣勢での激戦が、天ツ上=帝政日本として悲壮感が際立つ
魔犬の幼馴染の芸名はちょっと狙いすぎじゃね?分かりやすいけど


追憶→夜想曲→恋歌の順番に読むのもいいかもね

  by varelire2 | 2011-09-28 20:04 | | Comments(0)

[アニメ] ミニスカ・・・じゃなくモーレツ?

笹本祐一原作のアサヒノベルズで刊行中の小説

2012にTVでやるらしい
マジだったんだ

でも原作通りだと色々体裁が悪いのか、タイトルは「モーレツ宇宙海賊」
これも微妙じゃね?

ミニスカがまずいのか?

そういやこの企画の話が出た後、クイーンズブレイドの「大海賊リリアナ」がリリース
・・・何か関係あるんすかね
キャプテンリリカとリリアナ、どっちもミニスカという

タイトルはともかく、中身はいつもの笹本世界なので安心を
お約束の銀河帝国の設定はARIEL世界の未来、と考えても通りそう?

笹本原作といえば妖精作戦4部作もまたまた再版されるようで
こっちも映像化しないかのぉ

平沢さんの中の人(塩沢兼人)はいないけどorz

  by varelire2 | 2011-09-19 21:31 | アニメ・映画 | Comments(0)

[小説] 六花の勇者

山形 石雄・著
宮城・絵
スーパーダッシュ文庫・刊



「戦う司書」シリーズの人の新作
今回もシリーズ物になるらしい

ドロドロとした陰謀が幾重にも張り巡らされた世界の危機系ファンタジー
世界を滅ぼそうとする強大な魔神が存在し、かつて一人の聖者がそれを封じた
魔神は一定周期で復活するが、運命の聖者の力を継承した6人の勇者が現れ、再び封じていく
勇者には6つの花弁を持つ紋章が現れることから「六花の勇者」と呼ばれる

そんな世界

六花の勇者として紋章が発現したアドレット・マイアが討伐の集合場所に到着すると、
そこには何故か7人の紋章持ちが揃ってしまった
誰かが偽者で魔神の使徒という中、偽者の札を貼られたのはアドレットだった


本編の半分近くが心理戦で占められるという、司書シリーズと同じような独特の文体で
繰り広げられる話には、中々引き込まれた
最後の最後にまたしてもお約束の置き土産を残して締めとなっており、
これからも楽しみに待ちたい

  by varelire2 | 2011-09-19 00:47 | | Comments(0)

[小説]ゲート 自衛隊彼の地にて斯く戦えり(4) 総撃編

柳井 たくみ・著
アルファポリス・刊


6月に出ていたのですが、その頃まだ震災の影響で本屋が本格営業しておらず
なんとか駅前の丸善の営業時間に間に合って寄った時も、お約束の「在庫無し」
配達再開したAMAZONで購入
でかい本屋程欲しい本が無いジンクス
ベストセラーばっか並べても仕方なかろうに
最近は何故か新書も圧迫されてスペース減る傾向あるし

さて、本編
時間軸としては前巻のレレイ学会発表の前後となるようです
学会発表の妨害刺客対策としてランダム移動をしていた伊丹達に、冥王ハーディから神殿への半強制的招待が来る
神殿ではハーディの口より門が開いた経緯と固定化による弊害と対処について明かされ、人々は選択を迫られる
門を閉じるか、否か

初めて登場する神格
それは既に通常の手段では人々と交流することは適わず、イタコのように他者へ一時的に憑依することにより意志の疎通を行うという設定
選ばれたのは・・・お約束でレレイ
別世界人の伊丹は論外として、別神の亜神ロゥリィもダメ、ハーディとの決別を告げに来たヤオもダメ、テュカも何だかダメらしい

神格憑依の褒美(代償?)として学会発表の妨害排除と、ハーディの力の一部を授かるレレイだが、これによってまた騒動の中心となってしまう



とまぁ、そんな感じ
今回初めて特地調査に日本側の学者が登場、同行する場面がありますが、ここでもレレイ大人気
とても便利なキャラ立ちですな

一方、ゾルザル側へ間諜として潜入している古田側にもキナ臭い雰囲気が漂いだしたところでタイトルにある大激戦が発生
テューレといい感じだったのがどうなるのか期待を持たせつつ、次巻へ続く


元々は今回で完結、入稿も3月に済んでいたそうですが、直後例の大震災が発生
本編中の地震、津波などの天災描写は今の時期にそぐわないと急遽修正することにし、前半2/3に加筆修正したのが今巻

最終巻は後半1/3に加筆修正となるそうです

地球側各国の蠢動やら第二王子見てるともっと長引きそうに見えたんだけどねぇ


尚、今回一番の見所は古村崎によるマスコミと宗教についての講釈の件かと思うが、いかがか?

More

  by varelire2 | 2011-08-13 22:37 | | Comments(0)

[小説] 群青神殿

小川 一水・著
朝日ノベルズ・刊


世間で頻発する謎の海難事故
大型のタンカーやPPC(自動車運搬船)すら生存者ゼロで沈没する有様

そんな中、民間の鉱物資源会社調査船「えるどらど」が海上保安庁の依頼により事故調査に向かう事になる
「えるどらど」はメタンハイドレートの採取調査を行う船であり、潜水試錐船「でびるそーど」を擁している
事故現場に最も近くにいた対応可能な船ということで駆り出されたわけだが、ここで問題の事故に遭遇することになる




未だに新種の生物や新現象が見つかる底知れぬ海を舞台にした冒険小説
相変わらず「職」に関する情報調達と描写が読者を惹きつける良い感じの本でした
後書きにもあるように元々は2002年に朝日ソノラマ文庫で刊行されていた物の再版の為、テクノロジーとその大衆化に対しては若干古くなっている部分もありますが、今でも主題としては十分通用する内容

ソノラマ時代はあまり小川小説チェックしていなかった為、スルーしてた

ノベルズレーベルで再版掛かるのは嬉しいけど、どうせならソノラマ文庫そのまま継続でも良かったんじゃね?
書店での文庫スペース争奪戦の影響だったり?
でも結局新書版スペースは元から極小か皆無がほとんどだしのぉ

とりあえずARIELの再版に書き下ろし新作短編を混ぜるのは無しにしてくれ!
文庫で全部あるんじゃよ・・・

  by varelire2 | 2011-08-04 11:28 | | Comments(0)

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE