「今のライトノベル界をどうにかしてくれ」に関して一言
主に若者向け文庫本がライトノベルに分類されるのでしょうけど、自分の周りで考えると書店に並ぶ文庫本の出版社の変化に関係している気もします。
角川文庫→角川スニーカー文庫
ハヤカワ文庫→ハヤカワHi
富士見ファンタジアの登場
コンプティーク編集部問題から電撃の誕生
ざっくり言えばこんな流れの果てに、「電撃組囲い込み」問題や「ライトノベルの乱冊」問題が出てきているのが事実。
webを巡っていると最近めっきり姿を見なくなった「朝日ソノラマ文庫」までライトノベルに分類されているのががっかり。
そもそも「ライトノベル」とは何か?
普通の小説では「伝奇」「SF」「ファンタジー」「ミステリ」など様々なジャンル分けがされるが「ライトノベル」にはそれがない。
何でも一くくりに「ライトノベル」と呼ばれてしまう。
おかげで今刊行される文庫はほぼ全て「ライトノベル」扱い。
更に1冊でもライトノベル扱いの本を出した作家は、以後何を書いてもラノベ作家と呼ばれる始末。
ライトノベルの条件は何か?
「文章が稚拙」
「劣化コピーの氾濫」
「イラスト頼み」
「大量生産」
色々言われてますね。
なら、日本の小説界である意味大御所と言える赤○○郎や○村○太○はどうなのか?
刊行ペースはかなり速い方だし、似たようなネタも少なくない。
文章の巧緻に関してはどこまで求めるかによるが、絶妙巧妙と絶賛できる出来では無いかもしれない。
仮にこの二人の作品に今風のイラストとキャッチーな帯をつけて文庫化、電撃辺りで出したらどうなるか?(勿論作者名は変えて)
案外他の「ライトノベル」と一緒に埋もれてしまうのでは?
逆に「ライトノベル」として分類されている本を新書化、劇画調のイラストを付けてみたらどうだろう。
中には違和感無く収まってしまう物も出るのではないか?
# こんな事書くと文句言われそうですがね
自分の中でライトノベルとして扱われても仕方が無いような作品の特徴として考えるのは
「話の大半が細切れの会話で続く」
「登場人物の精神年齢が押しなべて低い」
「登場人物の精神構造が単純すぎ」
「演出が派手すぎ、或いは身体能力がさして理由も無いのに異常」
「劣化コピー」
こんなところでしょうか
「細切れの会話」としたのは、海外小説などでは「会話のみ」で進むものも少なくなく、場合によっては数ページにも渡って演説する事もあるから。
「登場人物」と「演出」に関しては「それなんてエロゲ?」的ご都合主義の性格付けとメディアミックスを狙いすぎた表現が目に付く。
「劣化コピー」についてはそのままの意味。
誰かが書いたネタをちょっと弄くって別作品として仕立て上げる。
これは何も小説に限らず、映画、ゲーム、家電、何でも言える事なので、これだけ取ってライトノベルの条件にはなりませんが、他の4つと組み合う事でライトノベル化に拍車が掛かる。
長い目で見れば全ての物事は模倣から始まるのだし、ましてや物真似文化の日本人が行うのは極めて自然。
重要なのは「劣化」しない事。
真似上等、ただし昇華せよ。
まとまらないまま戯言ここまで。
「今のライトノベル界をどうにかしてくれ」と言う前に読者ができるたった一つの冴えたやり方
by varelire2 | 2006-06-26 22:05 | 本 | Comments(0)