人気ブログランキング |

[小説] スラムオンライン

桜坂洋・著の現代物(ハヤカワSF文庫刊)

「All need you kill」から読み始めた作家ですが、2作目の「よくわかる現代魔法」で2面性を暴露。
シリアス路線とコミカル路線と作風が大きく分かれますが、本作はシリアス系。
刊行元を考えれば当然ですが。

タイトルから察せるように、オンラインゲームを題材にした小説。
DiabloやUO、EQを経てROとFFXIの登場により日本でもMMORPGを中心とするオンラインゲームがメジャー化して大分経ちますが、その間「.hack」やらを代表とするオンラインゲームを題材とした他のメディア展開も数多く出てますね。

小説のみのネタでも何作か出ているのを確認していますが、多くは時流に乗っただけの行きずり的な作品になっているのが残念。

本作は現在ではメインストリームに登場していない「MMO3D格闘」が題材
いつどこでも戦える(乱入・乱闘もOK)仮想の街、バーサスタウンに自分の分身たる格闘家を作り、好きなように遊ぶという物。
格闘ゲームであるため、LV上げ、経験値などの概念も基本的になく(つきつめれば奥義習得やら派生などで経験等が発生する要素はありますが)、装備云々もキャラの外見を変える小物に入り込む余地がある程度。
MMORPGとしては強さの度合いがプレイヤーの技量によるところが多い、比較的公正な舞台と言える。

主人公は東京の大学に通う、このネットゲームに嵌っている青年。
ネットゲーム以外は基本的に無関心で、学校でも当然無気力。

彼を通して現在のネットゲームが抱える幾つかの問題(廃人やRMT)と、惹きこまれた者の衝動的な感情のようなものが描かれています。
あとがきで著者本人も言ってますが「好きなように書いていいと言われたから書いた」とあるだけに、普通ではこれで小説になるのか疑問を抱くような作品。
それでも「ネットゲームに関わる者と周囲の者の視点の違い」的な物が感じられる面もあり、一過性の時流に乗った多作に比べて見所あるかと

MMORPGに対するコンシューマ・PCRPGのようにMMO格闘ゲームに対するアーケードという比較対象も題材として取り上げられており、それぞれに拘る両者の気持ち(考えというよりもしっくり来る)の描写も良かったかな


突っ込みどころも少なくなく、著者の趣味作である事は間違いありませんが・・・

Aボタンをクリック。僕はテツオになる。

こんな書き出しの本作、通勤通学の合間にでもいかがでしょう

  by varelire2 | 2006-03-03 22:32 | | Comments(0)

<< [TW] ちょっと動かしてみますよ [小説]レンタルマギカ >>

SEM SKIN - DESIGN by SEM EXE