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[小説] 魔法科学校の劣等生

佐島 勤・著
石田 可奈・絵
電撃文庫・刊


魔法が理論立てで存在する近未来が舞台
物を動かしたり火を出したりするような魔法も物理現象の解説のように一つ一つ理屈付けで説明しているのが特徴的
世界で魔法が一般的になるに従い、その優劣が国勢にも大きく関わってきた頃、日本は(明言されていないものの)尖閣諸島の領有権を巡り中国と武力衝突する
魔法を使った戦闘の末、辛くも守りきった日本
この事件の後、尚武の風潮が強まり自衛隊は自衛軍に、これからの戦局に魔法技術の優劣が鍵を握ると周知され、より魔法教育に力が入れられていくことになったようだ

さて、本編

妹は絵に描いた様な完璧才女、勿論魔法の才能も折り紙つき
兄は知識と体術こそ妹より勝るが、世間で認められるような魔法の才能は無い
お約束でどちらも眉目秀麗、兄は感情に乏しく、妹は「世間が認めなくても兄が一番凄い!」と重度のブラコン

魔法を使う才能を持った若者のみが入れる専門高校が日本に9つあり、最高峰が第一高校
二人がそこに入学するところから物語は始まる

魔法教育とは言ってもまだ十分な環境が整っている訳ではなく、特化教育を受けられるのは第一から第三高校までの半分、各100人
残りは専門教育は受けられるものの、質は少々劣ってしまう

首席入学した妹は当然特化クラスの一科、兄は二科
エリート意識の強い一科生にとって、仲間である妹が落ちこぼれの兄やその友人らと親密にしているのが気に食わない

問 題 発 生

しかし、兄の「世間では認められない」強力な魔法により余裕で流される始末



とにかく終始これ!

「世間で認められている才能だけが優れたものではない」
「認められない者の苦悩」


が主題とも言えるが、認められないどころかスーパーチート主人公ですよ
大して酷い扱いも酷い目にもあった描写も無く、漠然とした「家を勘当されている」「親に認められていない」「世間では落ちこぼれ扱い」に留まり、逆に降りかかるトラブルに対する楽勝対処ばかりが目を引く
日本の魔法界の大家所属として何人か登場しているものの、所詮主人公の噛ませ程度にしか見えない

「こんな凄い連中がいるけど、兄はもっと凄い」だけ

更に巻が進んでいくと兄妹の過去が少しずつ明かされていくが、チートがどんどん重なるだけ

兄SPEC
・魔法師才能(世間ではAタイプの優劣が魔法使いの能力差だが、普通は見られないBタイプ特化の才能)
・体術(魔法の一派と扱われる忍術大家の師範に教えを受けている)
・魔法技師才能(とある有名なブランドの技術者)
・勉学(筆記、理論なら無双状態)
・軍隊経験者(今も繋がりあり、機器メンテ担当)

妹SPEC
・魔法師才能(Aタイプの優秀な能力)
・体術(兄に同じだが遥かに劣る)
・勉学(兄に同じだが遥かに劣る、でも首席)

書き方もあるんでしょうけど、ね
ダークヒーロータイプとしては暗部が弱すぎるし、彼我の能力差が大きすぎる
他者を圧倒する程の力を代償無しで振るって「またつまらないものを斬ってしまった」的アンニュイな雰囲気を出され、とどめに妹による大絶賛
これで「俺(兄)は認められなくて不幸」を推しているのはオカシイですよ、カテジナさん

尚、現在4巻まで刊行済み
1、2巻が入学編
3、4巻が9校祭編となってます

「技術としての魔法」の書き方は面白い本

  by varelire2 | 2011-12-17 18:34 | | Comments(0)

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